クラス中がざわついた挙句あの悲鳴。
あっという間に他クラスの生徒や教師達が飛んできた。
そしてその視線の先にいるのは抱きしめられたままの私と話題の転校生。
さすがに、目立ちすぎた。
ただでさえ悪い意味でユリは目立っているのに。
「Do you not give it good addition and subtraction apart?(いい加減はなしてくれないかしら?)」
私の言葉で彼は体を離したけれど、腰に回した手と私の腕を掴む手は離してくれなかった。
「Lily,Why did you not contact me?Why did you stop skating?(リリー、どうして連絡をくれなかったの?どうしてスケートをやめてしまったの?)」
「Who is a lily?I am not a lily.(リリーって誰のこと?私はリリーじゃないわ。)」
そう冷たく言い放ち、無理やり腕を振りほどくとユリは椅子の横にかけてあったカバンを掴んだ。
「気分悪いから帰ります。」
様子を見に来ていた先生の1人にそう声をかけると、彼女は学校を後にした。

