氷上のプリンセスは




リンク脇のベンチに座って渋々渡されたスケート靴を履いた。



「さすがにノースリーブでスケートは寒い。」



なんて腕をさすりながら私が言うと



「そんなの動けば熱くなるって!」



とまたもニヤリと笑うアル。


あーーもう。
それが狙いですか。


何が何でも私を滑らせたいと!!


ちなみちそんなアルの練習着もノースリーブである。



「そうだ、渡し忘れてたんだけど転んで手を切ったりしたらまずいから手袋つけてね。」


ポンとこれまた黒い手袋をアルに渡された。

ちなみにこれもサイズぴったり。


「準備できたかい?」


私達よりも後に来たはずのパパはすでに軽いウォーミングアップを終えていた。


教えるだけなのにアップいるのかしら?


「今日はリリーもいるからな〜
アルだけなら今日は軽めにしようと思ったけどみっちりやるぞ!!」



「マジデ?」



「マジだ。」



「私いるからって練習メニュー変わるのはおかしくなぁい?」



「おかしくないぞ。愛娘が久しぶりにスケートするんだからしごいてやるのが父親だろう?」



なんかもういろいろズレてるきがする。


そして


「恥ずかしいから愛娘とか言わないでよ!!」


今日は叫んでばかりです。