「え、え!!まりあ様がトーナメント戦にでるって!!」
「相手は男子だぞ、いくらミスパーフェクトでも無理だって!!」
「いいえ、まりあ様なら平気だよ、だってまりあ様は…」
袴に着替え終わり、私は竹刀を手に対戦相手の元へと現れる。
体はまだ怠い。
胴着も暑いし、しんどいけど、やらなきゃ飯島君を助けられない。
約束、守るからね、飯島君。
少し振り返れば、心配そうに私を見つめる飯島君の目が合う。
私は安心させるように頷いて見せた。
「それでは、よろしくお願いします」
私は深々とお辞儀をする。
「よろしくお願いします、まりあ様相手だと、怪我させられないので、優しく終わらせますから!」
そう言って、ヘラヘラ笑う相手がお辞儀を返してきた。
バカにされたものだ…。
でも、まぁ……手加減してくれるなら、好都合。
私も、体調万全じゃないし、優勝までは3戦ある。


