「先生」
私はその場でバッと手を上げて先生に声をかける。
「どうした、花園?」
すると、高橋先生が不思議そうに私を見る。
私は、高橋先生にニッコリで笑顔を向けた。
「先生、私、飯島君の代わりにトーナメント戦でます」
「おお、飯島の代わりに……えぇ!?花園、トーナメント戦は男ばっかりだし、剣道部の奴らばかりで……」
そう言いかけて、高橋先生は考え込む。
「いや、花園なら大丈夫か」
「大丈夫なんかい」
我妻君がすかさず突っ込む。
「では、私は袴に着替えてきます」
そう言って、歩き出す私の後ろが、騒がしくなる。


