「お、俺、約束します!だ、だから助けて下さい!」
「引き受けました、それで、私は誰に勝てばいいの?」
「そ、それが……」
そう言って言葉を詰まらせる飯島君。
その理由は、すぐに分かった。
「トーナメント戦始めるぞー!男子並べー!!」
体育の高橋先生が、私達に声をかける。
トーナメント戦は、自由参加で、挑戦したい人達のみで行われる模擬戦みたいなものだ。
それに、至極当然だけど、男女別に行う事になっていて、なおかつ、参加者といえば、剣道部員だけだ。
5人のち3人は県大会でも名を連ねるほどの腕前。
剣道部員は剣道部員同士であたるように、同じブロックに固められていて、その中に飯島君の名前があった。
「飯島、分かってんだろーな?」
すると、飯島君の周りに、同じクラスの男子達が集まる。
「お前、あれで優勝しなかったら、一年間荷物持ちだぞ」
「ハハッ、つかぜってぇ無理だろ!!」
男子達はケタケタ笑いながら、飯島君をバカにしたように見る。
そっか、この人たちが…。


