「それでなんで、お前に頼むわけ?」
「代理人でもいいらしいの、その勝負。それに私が剣道三段で、道場の娘だから適任だったんじゃない?」
代理人ありという事で、剣道三段の私に頼んできたという事なんだと思う。
剣道は、初段から七段まであって、段数が大きい程すごい。
取得には年齢制限があるから、最短ルートで初段13歳、二段14歳、三段16歳、四段19歳、五段23歳、六段28歳、七段34歳となる。
お母さんは、七段取得者で、まだ42歳だから、次の46歳からの八段は受けられていない。
ただ、剣道最高位の範士であるおじいちゃんは、お母さんもすでにその域に達してるらしい。
我が母ながら、すえ恐ろしい。
「は?剣道やってたのかよ?」
「うん」
「さすが、ミスパーフェクトだな……。だけど、今日はダメだ。風邪引いてんだぞ?」
我妻君はそう言って、私に手紙を返す。
でも、私が断ったらこの人、ずっと荷物持ちだ。
イジメられてるんだと思う、だからこそ、私は逃げられないよ…。


