「いいから、さっさと寝てろ……」 「おやすみ、我妻君………」 我妻君の手が、私の瞼を閉じさせる。 それと同時に、一気に眠気に襲われる。 「俺の……」 え……? 我妻君の声が、聞こえた気がした。 それを聞きたいのに、意識がどんどん遠ざかる。 「俺の、前だけにしろよ……」 優しい…声……。 目が覚めたら、我妻君の顔が最初に見たいな…。 「おやすみ、まりあ…」 そんな我妻君の声を最後に、私は夢の中へと落ちていった。