「いいから、寝てろっ」
「でもっ……」
私を抱えて逃げてくれてるのに、我妻君に申し訳ない。
というか、私のせいで我妻君昼休み休めてないんじゃあ…。
「大丈夫だ、絶対に逃げ切ってやるから。安心しろ」
我妻君……。
なんでかな、弱ってるときに優しくされると、泣きたくなる。
風邪をひくと、心細くなるって、この事だ。
「我妻君………ん、あり……が…と…う……」
我妻君が安心しろって言ってくれた。
それなら、きっと大丈夫。
少しずつ抜ける体を、我妻君が強く抱えてくれる。
それに安心して、そっと意識を手放した。


