「まりあ様、どこ行ってしまわれたの!?」
「看病したいのにー!!」
あっ……。
嘘でしょ、まさかの中庭にまで来たの!?
「チッ、理科室はこっちのが近道なのによ……しかたねぇ、遠回りすんぞ」
我妻君は踵を返して、また走り出す。
振り落とされないように、我妻君にしがみついた。
「ふぅっ………」
あぁ、なんだか起きてるのがそろそろ辛くなってきたな…。
何だかんだで、全然休めてない。
「お、お前なっ、耳元で息ふきかけんな!」
「ふぇ?」
走りながら動揺する我妻君に、首を傾げる。
明日君が、私を抱え直した。
「落としそうになっただろーが!」
「むう……でも、もう体が限界で………」
私は、我妻君の肩口に顔を埋める。
もう無理、意識が途切れそう。


