「こんな時くらい強がんな。頼れって言ってんだよ」 我妻君は、私の頭を引き寄せる。 「うぅ……ごめん、ありがとう」 「おー、上出来」 我妻君は、小さく笑った。 そして、私に向かって、背中を向ける。 これは、まさかの……おんぶ?? 「乗れ、とりあえず、理科室にでも逃げるぞ」 「お、おんぶ??」 これはこれで目立つのでは?? 躊躇っていると、我妻君は私の腕を引く。 「早くしろ、見つかんだろ」 「う、わ、分かった」 我妻君の首に手を回して、身を預ける。 すると、急に視界が高くなった。