「その保健室が危険なのですよ」
「あ?なんでだよ…?」
「風邪ひいてるのがなぜか広まってて、ファンの子達が殺到してきた……の」
そりゃあ、休めるなら私もベッドで休みたい。
だけど、それは無理そうだわ。
とてもじゃないけど、ゆっくり休めないもの。
「あー……そういう事か」
面倒くさそうに後頭部をガシガシと掻く我妻君。
なんだか、申し訳なくなってきた。
「我妻君、私は大丈夫だから、教室戻って……」
しばらくここで寝てれば、きっと騒ぎも落ち着く。
とりあえず、授業さえ始まれば……。
「はぁ…お前な、もう俺が言った事忘れたのか?」
「え……?」
我妻君が言った事……うーん、何だったかな。
だめだ、朦朧として何も考えられない。


