「いやぁ、まぁ追われてまして」


「ハハハッ」と空笑いをする。

何も悪いことはしてませんよ?

みんなが追っかけてくるだけで………。


「つか、お前顔赤くね?しかも、汗かいてるし…」

「いやぁ、青春って、素敵よね」

「オイオイ、誤魔化すなよ」


遠い目の私に、我妻君は呆れたように「はぁ…」と、ため息をつく。


「仕方ねぇな……」

ーガツッ

我妻君は、なぜか窓に足をかける。

「おい、我妻ー!お前何してんだよ!?」

「我妻君!?何してるの!?」


なにやら教室が騒がしい。

そらそうだ、我妻君が急に窓から外へ飛び出そうとしてるんだから。