「お前、本当は寂しかったのか?」

「え……」


我妻君は、私をまっすぐに見つめる。

でも、その視線と、言葉の意味が分かってしまって、胸が切なくなった。


やだな、我妻君って、結構鋭いかも。


「ねぇ、我妻君」


私は、立ち上がって我妻の手を自分からとった。

そして、その小指に自分の小指を絡める。


「お前……」

「私が泣いてたの、秘密にしてよね?」


指切りのように、軽く揺らす。

そんな私を、我妻君は不思議そうに見上げた。


「泣き虫だろーが、別にいいじゃねーか。何で、隠そうとすんだよ?」

「私が、ミスパーフェクトだからなのです」


心配そうに私を見つめる我妻君から視線を反らして、誤魔化すように、ニコッと笑い離れる。


そんな私を、なんとも言えない困惑したような瞳で見つめる我妻君を無視して、私は話を変える。


「そーだ、またお礼にポッキーあげる」  

「はぁ?ポッキー好きだな、お前」

「もちろん、大好物だもの」


我妻君が私の本当の気持ちに気づかないように、話を反らした。

それを言われたら、本当の自分を洗いざらい出してしまいそうで、怖かったから。