「本当は………」
本当は、すごく怖かった。
だから、我妻君が来てくれて、すごく嬉しかったんだよ。
そう伝えようとして、やっぱり止める。
「ううん、とにかく、嬉しかった」
「本当は、すっげー怖かったくせに」
我妻君は、足を組んで、近くの机に肘をついた。
そして、その手に顎を乗せて、私を見つめる。
「な……そ、それは……」
泣いといて、それは違うとか、苦し紛れの言い訳だ。
「さっき俺の胸で泣いてたのはどこの誰だよ?」
「うっ……」
なんだ、いつものお返し!?
やけに、我妻君が責めてくるんだけど!!
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