「お前……変な顔してんぞ」
「え……」
我妻君が、私の顔をのぞき込んで、怪訝そうな顔をする。
やだ、すっかり気が抜けてた。
なんだろう、我妻君の傍にいるからかな、安心しちゃって、ポーカーフェイスが崩れちゃったんだ。
「つーか、学園で犯罪とか!ありえねーよなぁ!」
すると、近くにいた猿さんが呆れたように声を上げる。
本当だよ。
というか、自分がそこまでの効力がある事が、たまらなく怖くなってきた…。
本当に、みんなに助けられたな…。
「猿さん、愛梨さん、今日は助けに来てくれて、本当にありがとう。助かったわ」
私は、ペコリと頭を下げる。
すると、猿さんと愛梨さんが驚いたように私を見つめる。
「きゃーっ!!」
「まりあ様に誉められたーっ!!」
愛梨さんと猿さんは嬉しそうに歓声を上げる。


