「問題大ありだろーが!!襲われかけたんだぞ!?」
「でも、倒せた…し…」
我妻君、なんでこんなに怒ってるの?
というか、あれ…。
我妻君の体まで、少し震えてる…?
「女だろ、こんなの、怖いに決まってんだろうが……っ」
「あ………っ」
怖かった。
私、本当はすごく怖くて、手だって震えてた。
だけど、私がやらなきゃって……必死でっ…。
自分の気持ちを認めた瞬間、ガタガタと体が震え始める。
私は、ギュッと我妻君のYシャツを掴んだ。
「や、やだなぁ…っ、私、強いから大丈夫だもん……っ」
そう言いながら、ポタポタと涙が我妻君のYシャツを濡らす。
だから多分、私の嘘は我妻君にはバレバレだろう。
「こんな時まで強がんな、バカ」
「………っ……」
ポンポンと、背中を規則正しく叩かれる。
それに、少しずつ震えていた体が解れていくのが分かった。


