「っ…?おい、お前何やってんだ…?」
後ろの男子達の声が聞こえたんだろう。
我妻君は怪訝そうにこちらを見上げる。
でも、説明してる暇は無い。
「愛梨さん、ここからはそんなに高くない。大丈夫、我妻君ならきっと受け止めてくれるわ」
私は、そう言い切る自信があった。
なんとなく………我妻君なら信じられると思った。
「まりあ様はっ……」
「大丈夫、すぐに逃げるから」
私は、安心させるように笑って、愛梨さんを窓の縁へと登らせる。
「おい、マジでやるつもりかよっ!!」
ートンッ
「ひゃああああっ!!」
そして、私は愛梨さんの背中を押した。
そのまま、愛梨さんの体は地上へと落下していく。
「クソッ、バカまりあっ!!」
そう言いながらも、愛梨さんを見事受け止める我妻君に、私はホッと息をはく。
ーグイッ
安堵した途端、体が後ろへ引かれた。
「よーし、まりあ様ゲット♪」
「んんっ!!」
口元を手で塞がれ、後ろから抱き寄せられるように窓から離された。


