「ご、ごめんなさい…まりあ様っ…はぁっ、はぁっ」 「今は走って!」 ダメだ……。 愛梨さんは普通の女の子だし、このまま走ってたら、体力が尽きちゃう。 どうしよう、愛梨さんだけでも逃がしたいけどっ…。 私は、絶望的な気持ちで走り続ける。 「おーい、清人ーっ!!」 「あぁ?んだよ、猿」 すると、聞き覚えがある声が聞こえた。 「っ!?」 この声、我妻君と、その友達の猿さん!! 希望が見えた気がした。 あの男子生徒達との距離はまだある。 私は、2階の廊下の窓から、下をのぞき込んだ。