「愛梨さん、行くよ!」
「え、えっ!?」
私は、定規を持ってない左手で、愛梨さんの手を引き、全力疾走する。
「おい、どこにもいねーじゃねーか……っておい!!」
「に、逃げやがったぞ!!」
「追えー!!」
私は、愛梨さんの手を引きながら、どうしようかと考える。
職員室は、最悪な事にこの棟とは真反対の1階にある。
少なくとも、1階に降りなければ、絶対にたどり着けない。
「はぁっ、はぁっ」
「はぁっ……大丈夫、愛梨さん?」
愛梨さんを振り返る。
さすがに、愛梨さんを巻き込んでプールに飛び込むわけにもいかないしっ…。


