放課後、私は先生に頼まれていた数学物品を手に、多目的室へ向かっていた。
ーガサリッ
「持ちづらいわ……」
大きな分度器やら、三角定規やらかさばるモノばっかりだ。
「まりあ様、重たいでしょう?お持ちします!」
「まりあ様、俺が持ちますよ!!」
さっきから、何人もの生徒に声をかけられる。
「大丈夫よ、ありがとう」
「あっ……ありがとうって言われたぁぁぁ!!」
お礼を言って断れば、悲鳴…あぁいや、歓声を上げられる。
もうやだ、早く多目的室につかないかなぁ…。
小さく「はぁ…」とため息をつきながら、2階の廊下を歩いていた。
「な、なにっ!?」
すると、また廊下で聞き覚えのある声が聞こえた。
前を見ると、愛梨さんが今度は5~6人くらいの男子生徒に囲まれていた。
あれ、これデジャヴじゃないよね??


