「俺は、愛梨が好きです!!」

「えっ、猿先輩……」


猿君は、愛梨さんに向き直り、真っ直ぐにその瞳を見つめる。

すると、愛梨さんは猿君を呆然と見上げた。


「初めは、おっちょこいで、目が離せないなぁ、くらいにしか思ってなかった」


「は、はい……色々ご迷惑を…」


「でも、素直だし、頼ってくれるのが嬉しいし、何より一緒にいて、楽しいって思ったつーか」


猿君は、顔を真っ赤にして、照れ臭そうに頬をポリポリと掻く。


「いつの間にか、目で追ってて、誰よりも特別な女の子になってた」


ここのセットは、暗くて、私と、最後までたどり着いたお客さんの立つ場所にしかライトは当たっていない。


だから、まるで恋愛映画の1シーンを見ているような、そんな感覚だ。


「私っ……」


「あ、すぐに返事が欲しいとかじゃなくて、誓いたかったっつーか、俺の気持ち、知っててほしいだけ…」


そう言って、優しく笑う猿君に、愛梨さんはむくれる。