「多くの試練に打ち勝ち、私の元へたどり着いた戦士達よ」


ちょっと棒読みかな?と、思いつつ、私は杖を掲げる。

すると、私の杖の先の月が、キラキラッと光った。

もちろん、私がボタンを押してつけているのだけど。


「罪に懺悔するも良し、誓いを立てるも良し。全て、このまりあが許しましょう」


自分で言ってて、一体何様だと思うけど、まぁ、今回はこういう役だから、許してほしい。


「お、おぉっ、本格的ですね!猿先輩っ!」

「……………………」


すると、テンションの高い愛梨さんとは反対に、何やら猿君は思い詰めるように俯いている。


「えーと、猿先輩、どうしました?そんな、世界の終わりみたいな顔して」


「さ、猿君……?」


やだ、どうしたんだろう。

まさか、本当に懺悔したい事が!?

私は、愛梨さんと目を合わせる。


不思議に思っていると、猿君は「うし!」と急に意気込んで、顔を上げる。