「私を、好きって言ってくれてありがとう。でも、私には世界で一番大好きな人がいるから…」


「ありがとうちゃんと振ってくれて。向き合ってくれた事が、すごく嬉しい」


有谷君は、優しい瞳で私を見つめる。

有谷君は、私の苦しい時にいつも支えてくれた。


全てが終わったら、ちゃんと清人に向き合おう。

それで、素直にこの気持ちを伝えよう。

もう、見失わない、この思いだけは……。


「じゃあ、決戦はお供しますよ、まりあ先輩」　

「心強いよ、有谷君」


茶目っ気たっぷりにそう言った有谷君に、私は笑う。


うん、私の中に、ちゃんとあった。


霧が、まるで晴れたかのような、ずっとくすぶっていた、そんな気持ちに火がまた灯るような、そんな気持ちだ。


うん、私は……清人が好きだ！！