「………女が」
「え?」
清人は、私を見て、ポツリと呟く。
あれ、今清人が私に話しかけた……?
「なんでこんな重いモン持ってんだよ」
「えーと……私に、話しかけてる?」
勘違いとかだったらなんかどうしようもなく情けないし。
私の、願望……幻聴かもだし…。
自信なさげに尋ねると、清人は明らかにショボンと項垂れた。
「話しかけるのも、嫌か……?」
「っ!!」
眉をハの字にして、捨てられた子犬のような清人に、私はひどく動揺する。
な、なんという顔を……。
清人と別れるって決めたのに、別れてすぐこれだ。
好きにならないように、離れたっていうのに、清人は何かと理由をつけて私に声をかけてくる。