「有谷君は、目的の為なら、何でもするって私に言ってたのが、決め手かな」
「ハハッ、まりあ先輩相手だと、ついペラペラ話しちゃうみたいだよ、俺」
苦笑いを浮かべて、有谷君は流れる雲へと視線を向ける。
天気がよくて、青く澄んだ青空がそこにはあった。
「美樹は、俺の彼女だよ。今はどうか分かんないけど。でも、美樹にとって大事なのは誰かに自慢できる、お飾りの男でさ」
そう話す有谷君の横顔を盗み見る。
それは、私と同じくらい苦しそうに、それでもそれを見せまいと強がった笑みを浮かべていた。
「俺がモデルだから美樹は彼女になっただけて、飽きれば次は学園1のイケメンにちょっかい出し始めた」
「有谷君……」
「だから、それが悔しかった。簡単に手放せるくらいの気持ちで付き合ってた事がね」
そう言いながらも、切なそうな顔をするのは、有谷君が美樹さんを好きだったからだね。


