「っ………」
清人も、よく私に呆れながらも愛しそうに笑った。
もう、2度とみられない…。
やだな、ふとした瞬間に、清人を思い出す。
箸を手に、私は膝の上のお弁当の中身を見つめた。
「本当は、話したいことあるんじゃないの?」
「え……?」
「そんな顔してるけど」
有谷君は、横目で私を見る。
そんな有谷君に、私は苦笑いを浮かべた。
「うん、それじゃあ…………」
私はお弁当を横に置いて、真っ直ぐに有谷君を見つめる。
すると、有谷君は驚いたように一瞬目を見張り、何かを覚悟したように私を見つめ返した。
「有谷君、私に近づいたのは、どうして?」
「………聞いたの?俺が、美樹の彼氏だって」
私は静かにコクンッと頷く。
「それに、有谷君は手紙の事を話していなかったのに知ってたし、そもそも美樹さんの事を呼び捨てにしてるのが引っ掛かって」
今まで気づかなかったけど、やっぱり、有谷君は美樹さんの事に対して知りすぎだし、なにかとタイミング良く現れた。
そして、やっぱり最後の決め手は…。


