昼休み、私はさすがに理科室には行けなくて、自然と体育館裏へと足を運んだ。
すると、そこには先客がいた。
「有谷君……」
体育館裏の階段の段差に腰かける有谷君は、また焼きそばパンを食べていた。
「ん?まりあ先輩?」
「私もここで食べようと思って」
私は有谷君の隣に腰かける。
そして、朝作ったお弁当を開いていく。
「まりあ先輩、こんなとこにいていーの?」
「有谷君は、いつもここで食べてるの?」
有谷君の質問に、私は質問で返す。
なんとなく、有谷君は毎日ここでご飯を食べてるんじゃないかなと思った。
「あぁ、これでもモデルだし、クラスの連中が騒いでうるさいから」
「モデルなんだもんね、有谷君すごいなぁ」
「知らなかったの、まりあ先輩くらいだろ」
呆れたように私を見つめる有谷に、一瞬、清人と顔が重なって見えた。


