「まりあ様、我妻先輩が私といるのが気にくわなかったらしいです。だから、私にこんな事っ…」
美樹さんはわざとらしく私にビンタされた方の頬をさする。
「まりあ、まさかぶったのか……?」
清人は、信じられないとでも言わんばかりに私を見つめる。
まるで、否定してくれとでも言わんばかりに。
「…………うん、ぶったよ。だけど、私は間違えた事してない、謝る気もさらさらない」
私は真っ直ぐに清人を見つめて、そう言った。
大切な人達の心を踏みにじるのは、許せなかった。
でも、清人なら気づいてくれるよね?
ちゃんと、理由があるって……。
「お前の事が、よく分からなくなってきた……」
清人は、そう言って俯く。
一瞬、自分が何を言われているのか分からなくて、私は目を見開いた。
「なんで、こんな事した……?」
「まさか、清人私の事信じられないの……?」
「何を信じろって言うんだよ!!何があったにせよ、叩く必要あったのか!?」
ービクッ!!
清人が本気で怒鳴った。
私は、体が驚くくらいに跳び跳ねた。
清人、本気で私に怒ってる……。
しかも、これって、私は清人に信用されてないって事だ。
「なんで………私は、清人の彼女でしよ……?」
たとえ世界が敵でも、私の事だけは信じて、味方でいてくれるんじゃないの?


