「愛梨の大切な友達を傷つけるなんて許せないです!」


えっ、愛梨さんの声……?

聞き覚えのある声に、私は一瞬足を止める。


「へぇ……あなたみたいなチンチクリンが、あのまりあ様の友達?まりあ様って、敬われてるわりには、パットしない奴等ばっかりとつるんでるわよね」


じゃあ、もう一人は……誰?

私は、嫌な予感がして、1歩、また1歩と階段を上がる。


「つりあうとか、釣り合わないとかじゃないです!まりあ様は、愛梨達の事を助けてくれた大切な友達なんです!」


愛梨さん……私の事、そんな風に思っててくれたんだ…。

盗み聞きをして悪いと思ったけど、素直に嬉しかった。


「だまんなさいよ!!」

「んうっ!!」


ーバンッ


すると、突然何かが壁にぶつかる音と、愛梨さんのうめき声が聞こえて、私は慌てて階段を駆け上がる。


「愛梨さん、大丈夫っ!?」


そして、そこには愛梨さんの胸ぐらを掴んで、壁に押し付ける美樹さんがいた。


「美樹さん……あなた、何してるの…?」


驚きで、私は情けない事にそう言うので精一杯だった。


「まりあ様っ……どうして……?」


愛梨さんは苦しそうに、目に涙を浮かべて私を見つめる。

それに、頭が真っ白になり、方針状態になる。