「さーて、私はそろそろ帰るわ」 私は立ち上がって、伸びをする。 ポタポタと制服から水滴が垂れて気持ち悪い。 早く着替えて帰ろうっと。 「おい、お前」 立ち上がって我妻君に背を向けた所で、声をかけられる。 「なに………わっぷ!?」 振り返った途端、視界が真っ暗になった。 どうやら、私の頭に何かがかかっている。 あ……これ、石鹸の匂い…。 頭に乗っかっているものを取り去る。 頭にかけられていたのは、我妻くんの紺のジャージだった。