その場に、清人と2人残される。
困ったな、向き合うとは言ったものの……やっぱり気まずいものは気まずいよ!!
有谷君の申し出を後悔しかけて、私はブンブンと首を横に振る。
そして、私は清人に視線を向けた。
「お前が告白されたって、あの有谷って奴か?」
「え?」
すると、驚く事に、清人から私に話しかけてきた。
それに、私が有谷君に告白されたって勘違いしてる。
「飯島が言ってたんだよ、2年のモデルの男子が、お前を呼び出したって…」
そっぽを向いて、そう言う清人に、私は慌てて否定する。
「ち、違うよ。有谷君は私を助けてくれただけでっ…」
「助けたって……まりあ、お前何か巻き込まれてんのか!?」
心配そうに私を見つめる清人に、私は曖昧に笑みを返す。
さすがに……。
あそこまで信用してる美樹さんの事を話すわけにもいかないし…。
「………ううん、もう大丈夫」
「大丈夫って、そんな辛そうな顔してんのに、大丈夫なわけ……」
それは、清人が私を信じてくれなかったからだよ。
だから、私泣いたんだよ!!
本当は、有谷君じゃなくて、清人に涙を拭ってほしかったんだよ?
「それに、有谷はお前が泣いたって……アイツに、頼ったのか?なんで俺じゃねぇの?」
…………なんで俺じゃない?
「あんなヤツじゃなくて、俺を頼れよ!!」
……………あんなヤツ……?
その一言に、ブチーンッと頭の中で何かが切れた。
「清人がっ………私を置いて行ったんでしょ!?」
「っ!!」
ぶちギレた私を、清人は目を見開いて見つめる。
涙がまた溢れて、私はそれでも清人を睨んだ。


