「あら、見てたの?」 私が2階から飛び降りたこと、知ってるんだ。 まぁ、デッキブラシ持ってるから、プール掃除してたんだろうし……当然我妻君が気づかないはずないか。 「なんか、モメてる声が上から聞こえてた。そうしたら、お前が窓に足掛けて飛び降りたからな、生きた心地しなかったぞ」 我妻君は「はぁぁっ」と深いため息をついて、私の隣にしゃがみ込んだ。 「何で飛び込んだんだよ?」 「え……?」 まさか、理由を聞かれるとは思わなかった。 驚いて、我妻くんの顔をマジマジと見つめる。