「すげー、金魚みてぇー」
「むうぅっ!」
清人は、ちょっぴり私に意地悪だ。
だけど、清人はすごく楽しそうで、そんな清人を見ていると、私も意地悪されてもいいやって思うんだよね。
「じゃあ、帰んぞー」
ーギュッ
清人はそう言って私の手に自分の手を重ねる。
そして、指を絡めた。
「あっ………」
これ、いわゆる恋人繋ぎだ!!
清人と、こんな所でも、繋がってるなぁって思う。
「ねぇ、清人!私、夏祭り行きたいの!」
「おー、いいんじゃね?」
「2人で浴衣着よう?」
夏祭りと言えば、浴衣は絶対に外せない。
清人も良いって言ってくれたし、張り切って、新しい浴衣買っちゃおうかなぁ!
とか、浮かれてみる。
「あ?俺も浴衣着んのかよ?」
「そー、清人と浴衣着て、お祭りに行きたい!」
「まりあが言うなら、叶えるしかねーし」
清人は照れ臭そうに、それでいて優しく私にはにかんでくれる。
清人、清人はやっぱり今日も優しいなぁ。
私は幸せな気持ちで、清人ととたわいもない話をして、帰った。


