「ふ、わっ……」
「ハハッ、すげぇーエロイ顔」
唇が離れると、清人は私の顔を見て、なぜか嬉しそうな顔をした。
「なっ、エロイって!!もう、清人キャラ変わってない!?」
「お前に対してだけな」
そう言って不敵に笑う清人が、憎い。
私はむくれながら、清人を見上げる。
「清人ばっか余裕で、ムカつくなぁ」
私は、恥ずかしくて、キスとか……余裕なくなっちゃうから、呼吸の仕方さえ忘れちゃう。
「俺が余裕なわけねーよ」
「嘘」
全然、余裕そうな顔してるよ!!
だって、キスの後だって笑う余裕があるんだから…。
「嘘じゃねーよ……まりあ見てると、今すぐにだって、全部奪ってやりたくなるし」
「は、はぁぁっ!?」
「さっき、男に誘われそうになってただろ。本気で、教室でキスしてやろーかと思ったわ」
だ、誰っ!!
目の前にいるこの人は誰なのっ!?
口をパクパクさせていると、清人はそれを人差し指と親指でムギュッと挟んだ。


