「本当にしねぇ?」
「それって………」
「俺に、まりあの夏休みくれって言ってんの」
清人、清人は今何を言ってるんだろう。
ありえない、私には、清人が私の夏休みを全部くれって言ってるように聞こえる。
「俺のバイトと、まりあの予定が無い日は、全部俺といてって言った方がいいか?」
「き、清人っ………」
わぁ、清人……清人が、そんな事言うなんて…。
私は、友達でいた頃の清人しかまだ知らない。
恋人になるって、なんだかその人を独占したくてたまらなくなるんだ。
「私も、清人とずっと一緒にいたいっ」
そう言って、ギュッと清人のYシャツを掴む。
顔が見たくて、見上げると、至近距離で清人と目が合った。
「もっともっと、近づきたくて…苦しかったんたよっ」
「おまっ……それ、反則だろっ」
素直にそう伝えてみたら、清人は顔を赤らめて、なんだか切なそうに眉を歪めて、私を見つめる。
「バカまりあ、あんまし、そんな顔すんな」
「そんな顔って、何??」
「キス、してほしそうな……男を煽る顔だ」
そう言って、清人は顔を傾けた。
そして、私の顎に手を添えて、唇を近づける。
「―――っ」
「んっ!?」
そして、いきなり深く口づけた。
それに驚きながらも、清人が私を求めてくれるのが嬉しい。
だって、私も触れてほしいって思ってたから…。


