完璧なカノジョの秘密



「ねぇ、清人………」


今こそ言わなきゃっ……。

清人ともっと2人になりたいって、素直に…。


「あ?」

そして、夕暮れが照らす中、私が足を止めると、数歩先を歩いていた清人が不思議そうに私を振り返り、足を止めた。


「あの……あの、清人っ」


たぶん、顔面紅潮してるであろう顔。

恥ずかしいけど、なにより伝えたくて、真っ直ぐ清人を見つめた。


「っ!!」


すると、私の顔を見た清人が、一瞬息をのんだのが分かった。

「あ……あー、待て、言うな」


すると、なぜか慌てたような顔をして、清人君は私を手で制する。

ちょ、私の勇気を無下にっ!?


せっかく、清人ともっといたいって言おうとしたのにっ!!


抗議の意味を込めて、私が清人を睨むと、清人は焦ったように後頭部をガシガシと掻いて、ズンズンとこちらに歩いてくる。


「ん?清人……っ!?」

ーガバッ!!


私は、突然清人の力強く抱き締められる。

まるで、その腕に閉じ込めるかのように、清人は覆い被さった。


「夏休み、全部俺が予約してるってヤツ……」

「う、んっ……?」


清人の声、耳元かすってて、すごくくすぐったい。

予約って、あのクラスメートの前で言ってたやつだよね…。

それがどうしたんだろ?

清人の腕の中で、考え込んでいると、清人がまた呟く。