「まりあ……」
ふと、名前を呼ばれた。
それに反応するように、私の意識は一気に浮上する。
「お前、こんな所で寝んなよな……」
「んん……んぅー?」
誰……?
ちょっと、気持ちよく眠ってたのに…。
風があまりに気持ちよくて、自然と寝ちゃってたんだ。
「バカまりあ、早く起きろ」
そう言うわりには、声の主は私の髪を優しく撫でる。
それが、誰なのかすごく気になって、私はゆっくりと目を開けた。
「え……?」
「やっと起きたか」
すると、言葉のわりに、すごく優しく微笑む我妻君がそこにはいた。
「なんで……ここに……?」
ボーッとする頭でそう尋ねる。
すると、我妻君は呆れたように私を見た。
「昼来るっつってたのに、いっこうに来ないから迎えに来たんだよ、バカ」
「もー、バカバカ言わないでよ…」
最近、我妻君私にバカって言う回数増えてない?
酷いなぁ、もう……。


