「わぁー、清人……マジギレしてんじゃん」
「えっ」
猿君は、冷や汗をかきながら、我妻君を見つめている。
我妻の親友である猿君が言うんだから、きっと本当なんだろう。
「やー、どっちが犯罪者かわらない…」
飯島君の言葉に、私も苦笑いを浮かべながら頷く。
うん、我妻君は怒らせないようにしよう……。
そう心に決めた。
「まりあ様っ!!」
「愛梨、先生呼んできましたぁー!!」
すると、今度は制服に着替えた花菜さんと愛梨さんがこちらに駆け寄ってくる。
「ありがとう、花菜さん、愛梨さん」
私は2人に駆け寄る。
我妻君の言った通り、最強先生が現れて、そして犯人を連行……あぁいや、進路指導しに、連れていった。
「花菜さんの写真、我妻君が跡形もなく葬り去ってくれたんだよ」
私がそう言うと、花菜さんは嬉しそうにフワリと笑った。
そして、ゆっくりと我妻君に歩み寄る。
「あ、お前………あの時の…」
「我妻君、本当にありがとうございました」
そう言って、深く頭を下げる花菜さん。
良かったね、花菜さん…。
それに、花菜さんの写真だから、我妻君は怒ってたんだ。
あーあ、やっぱり見てるの辛いなぁ…。


