「はぁっ、は!!まりあ、無事か!?」
血相を変えた我妻君が、私に駆け寄る。
その後ろには、猿君や飯島君もいた。
「犯人捕まえてる!さっすがまりあ様!」
「俺等より、明らかにまりあ様は強い」
猿君と飯島君も、ホッとしたように笑う。
「問題ないよ、捕まえました!」
私は我妻君達にピースする。
だけど、我妻君の顔は暗いままだった。
我妻君……?
その我妻君の表情が気になって、声をかけようとした時…。
「よかったねー!」
「まりあ様ありがとうございます!!」
ーパチパチパチッ
プールのフェンス越しから女子達の拍手と歓声が上がって、私はつい声をかけそびれてしまった。
女の敵だもん、捕まえられて良かったよ。
私もホッと息をつく。


