「まりあ様ーっ!!」
ぼんやりしていると、フェンスのすぐ後ろで、私を呼ぶ声がした。
この声……愛梨さんっ!?
バッと後ろを振り返ると、そこには……。
「やっほー、まりあ様!!」
手を上げる猿君と。
「まりあ様、み、水着………ブフッ」
鼻血を出す飯島君。
「連れてきちゃいました!」
と笑う愛梨さんと。
「よぉ………」
気まずそうな顔をしている我妻君がいた。
私は、驚きで目を見張る。
な、何が起きてるの!?
というか……。
「今みんな授業中じゃ……」
この観客もそうだけど、みんなちゃんと授業には出てるんだろうか。
「そんなモノより、愛梨達には大切なモノがあるじゃないですかぁ!!」
そう言って、愛梨さんがフェンスの私に近づいてきた。
「水着姿に惚れてもらう、ズバリ、水着大作戦です!」
「ええっ!?」
小声で言う愛梨さんに、私は苦笑いを浮かべる。
まさか、単純に水着姿を見せるだけだったとは……。


