「お前、何で俺から逃げんだよ!!」
「こここ、来ないで!!」
私は、慌てて後ろの扉から逃げ出そうと、教室の外へと飛び出す。
「ふざけんな、絶対逃がさねー!!」
ーガバッ!!
でも、我妻君は私にすぐに追い付いて、後ろから抱き締めるように捕まってしまった。
し、死ぬ!!
今我妻君と話したら、心臓がズタズタになって死んでしまう!!
「は、離してーっ!!」
「嫌だね、お前離したら……俺から逃げんだろーが!」
そりゃあ、逃げますとも!!
だって、私っ……我妻君が好きで、でも我妻君には好きな人がいてっ……。
我妻君を見てるのが、辛いんだよっ!!
「なぁ、俺の話……」
「我妻君、お願いっ……離してっ…」
ーポタッ、ポタッ
涙を溢す私を見て、我妻君は目を見張った。
そして、私を抱き締める手が緩む。
「ごめんっ……」
私は、その腕を飛び出して、全力疾走で我妻君から逃げる。
「まりあ!!」
我妻君が、私の名前を呼んだけど、振り向く事が出来なかった。
ごめん、私我妻君の事応援出来るようになるまで、やっぱり一緒にいない方がいいと思う。
だからっ……ごめんね、我妻君。


