「じゃあ、場所変えようか?」
こんな所で、悩みを聞けるような雰囲気じゃないし…。
クラスメートも、何事かとこちらをチラチラ見ている。
「あ、いやここで良いのだ!!」
「え、なん…………うん?」
なんか、飯島君怪しい。
挙動不審だし、まるで私をここにいさせたいみたい。
「ちょっと、飯島君何か企んで………」
「はぁっ、はぁっ…良くやった、飯島!!」
ーバンッ
突然、教室の入り口に息を切らした誰かが現れる。
その人は、入り口に手をついて、荒い呼吸でこちらを見ていた。
「なっ………」
嘘、そんなまさかっ!!
よりにもよって、今一番会いたくない人に会ってしまった。
その人物を見つめて、私は開いた口が塞がらない。
そして、その人は不敵に笑った。
「こんのっ、バカまりあ!!やっと掴まえたぞ!!」
「ひぃぃっ!」
濃い、チョコレートのような茶髪、そして学園1のイケメン……それは、紛れもなく、我妻 清人だった。


