「でも、遊園地て、飯島先輩に飲み物を買いに行く時とか、何かと愛梨の事を心配してくれて、それが大人っぽいなぁって……思って」
「うんうん、それで?」
「はい…そんな、猿先輩が、カッコ良く見えて……好きに、なってしまったのです!」
そう言ってはにかむ愛梨さんは、すごく幸せそうだった。
恋は、こんな風に幸せな気持ちにもすれば、私のように苦しみも運んでくる。
「まりあ様は、我妻先輩のどこに惚れたんですか!?」
「あ、えっと………」
突然愛梨さんに話を振られて、戸惑う。
愛梨さんは話してくれてんだし、私も正直に言おう。
私が、我妻君を好きになったのは…。
「私を、私として見てくれた……からかな」
私は、自分の手元を見つめて、笑みを浮かべる。
私の事をミスパーフェクトだって知らなかったし、他の人みたいに遠巻きに見なかった。
「強がるな、頼れって言ってくれたのが…すごく、嬉しくてっ……」
じわりと、涙が滲んだ。
視界が歪んで、それに気づいた愛梨さんは、私の背を擦ってくれた。


