昼休み、私は理科室に向かう前に先程の更衣室の前にいた。

結局先生に話したけれど、勘違いだろうと言われてしまったのだ。


「…証拠もないし、しょうがないか…」


にしても、怖い思いをした子達がいるんだから、もっと対策をとって欲しい。


腕を組んで更衣室を見つめていると、プールの裏で、誰かの話し声が聞こえた。


「………の、………き……」


私は、そっとそちらへ歩いていく。

そして、そこで見たのは、我妻君と、ショートヘアーの可愛らしい女の子だった。

う、わっ!!

なんだろう、この状況って、まさかもしかしなくてもっ…。


「好きです、我妻君!」

「っ!!」

モジモジしながら、想いを伝える女の子を、我妻君はジッと見つめる。

私はというと、その告白に叫びそうになった。

どうしよう、我妻君が女の子に告白されてる!!


ードクンッ

胸が、嫌な音を立てる。

そして、不安が押し寄せた。



我妻君が、OKしちゃったらどうしよう。

我妻君、我妻君お願いっ……断って、なんて……私、最低だ。

だけど、そんな風に願ってしまうほど、我妻君が好きなんだもん。