完璧なカノジョの秘密



放課後、移動教室の為に上がった2階の廊下を歩く。

空いた窓から、フワリと桜の花びらが入り込んできた。

それを見つめていたら、自然と口角が上がる。


「綺麗………」


それに誘われるように、私は窓の近くへと歩み寄る。

すぐ下には、プールがあった。


「おーい、そっちちゃんと擦れよー!」

「おぉー、分かってら」


定期的な掃除の為か、水が張られている。

プールサイドをデッキで擦る男子生徒が見えた。


ーフワリ


また、桜の花びらがこちらに飛んでくる。

プールのすぐそばに生えている桜の木から花びらがハラハラと舞っているみたいだった。


2階といえど、ここから下まではそんなに高くはなさそう。


「や、やめてください!!」


桜舞う景色を見つめていると、その場に似つかわしくない、切羽詰まった声が聞こえた。