「ま、まりあ様ぁ!聞いてくださいってば!」

「あ、ご、ごめんなさい」


泣きそうな顔をする愛梨さんに、私は苦笑いを浮かべる。

私は、愛梨さんに向き直った。


「それで、1年の時に、この胸の事でイジメられてたんです!」

「え?なんでむしろステータスじゃねーの??」


愛梨さんの言葉に、猿君は首を傾げる。

相変わらず、猿君の目線は愛梨さんの巨乳に向けられてるけど。


「いいえ!これで、愛梨はアバズレとか、歩くAVとか、それはもうイジメにあいましたよ?」


「それは、ひでぇな……」


我妻君も相槌をうつ。

確かに、それはなんというか、出る杭は昔から打たれるのね。

全く、ひどい話だ。


「愛梨も、すっごく落ち込んで、学校でもずっと下向いて生きてました。でも、そんな時にまりあ様に出会ったんです!」

「え、私??」


キラキラとした視線に目を見開く。

え、どういう事……?


「俯いてたせいで、スッ転んだ愛梨は、教科書やら筆記用具やら床に落としちゃって……。地べたに膝ついてそれを拾ってたら、なんだか惨めで泣けてきちゃって…」


何かを思い出すように、遠い目で微笑む愛梨さんに、私は目を奪われる。


辛い記憶を思い出してるんだって思ったのに、どうしてそんなに嬉しそうな顔をしてるの…?