「本当……ほっとけねぇー奴」

「それって……」


ーどういう意味?


そう尋ねようとした私の頭を、我妻君はグッと自分の胸に押し付ける。

そのせいで、視界は真っ暗だ。

我妻君の顔も見えない。


「知らね、教えてやらないけど。つーか、俺も良くわからないっつーか……」

「………?」


困惑したような、焦ったような我妻君の声。

それに、ドキドキするような、不安な気持ちになる。

我妻君、今何考えてるの?

私、もっともっと……我妻君の心が知りたいって思っちゃうよ…。


「ほら、着替えんだろ?更衣室まで運んでやるから、俺につかまれ」


「うん、ありがとう……」


なんだか、ごまかされた気もする。

だけど、私も追及されたら困るから、ホッとしたような……。