──ミスパーフェクト。

私、花園 まりあ(はなぞの まりあ)高校3年生。


私が、この道ノ木学園でそう呼ばれるようになったのは、いつからだったか…。


私の両親は、大学教授の父と剣道師範、道場の主をしている母という文武両道の最強夫婦で、その星の元に、私が生まれた。


「いいか、まりあ。女たるもの、聡明で、文芸に優れた知的な女になりなさい」


父はそう言って、小学生のあたしに、大学並みの勉学を叩き込んだ。


「いい、まりあ。女たるもの、強く、逆境にも負けない武力が大切よ。武芸こそ、女の美しさを……」


ー以下省略。

お母さんは、私に剣術を徹底的に叩き込み、あろうことか、型を無視した模擬戦までさせられる始末。


こうして、父と母の期待の押し付けで、私は学園で、勉強、スポーツ、何をやらせても完璧、その上容姿も人並みに整っているせいか、ミスパーフェクトと呼ばれるようになった。