「新入生代表、松本なごみ」 「はい」 登壇し、一礼する。 徹夜で仕上げた文章を胸ポケットから出そうとして、手を止めた。 今までの練習からして、見ながら話すと決まって棒読みになるのだ。 それも、なんの感情もないようなひどい棒読み。 それを披露するのはさすがに躊躇う。 せっかく成績ナンバーワンで入学したのに笑い者だ。 私は決心すると、マイクに向って話し始めた――――