「積もる話、あるんだからぁ、あっちの席行こ?」

天地はグイグイ濱田の腕を引っ張る。


「………じゃあたし、田原っちんとこ行こっかな」

不意に瑠璃が発し、菜々の背中を叩いた。

「あっ、あたしも」



あの頃、天地は濱田の事が好きだった。

菜々と付き合う前から猛アタックしていた。
しかし、当の濱田は全く相手にしなかった。


『なんか、恒例行事になりつつあるな、天地の告白』

クラスの誰かがそう言ってた。


そんな事を思い出しながら、菜々は瑠璃と一緒にその場を離れてた。

そんな2人を、いや、菜々の姿を濱田は切ない思いで見送った。